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先日、看護学生の皆さんに向けて「スペゼミ(特別セミナー)」の講師を務めさせていただきました。
テーマは、私が実践している「開業保健師」としての働き方について。
これから実習や国家試験を控えた学生の皆さんに、行政や病院だけではない「新しいキャリアの選択肢」がどう響くのか。少しドキドキしながらの登壇でしたが、終了後に届いた感想を読み、私自身が胸を熱くしています。
学生たちが何を感じ、何を持ち帰ってくれたのか。いただいた感想とともに、当日の様子を振り返りたいと思います。
多くの学生さんが、まず最初に書いてくれたのが「保健師=行政(市役所)の人」という固定観念が壊れたという驚きでした。
- 「保健師は行政や企業に所属するものだと思っていました。自分で開業し、地域や企業のニーズに合わせて柔軟に働く姿に驚き、『保健師ってこんなにいろいろできるんだ!』と感動しました。」
- 「スーパーマーケットでの減塩レシピ提案や、企業へのメンタルヘルス支援など、生活のあらゆる場が保健師の活躍の場になると知りました。」
「待つ」のではなく、自分から必要な場所に飛び込んでいく。 私が伝えたかった「専門職としての自由さ」を、皆さんが真正面から受け止めてくれたことが本当に嬉しかったです。
講義の中で、私が大切にしている保健師のコアスキルとして「見る・つなぐ・動かす」というお話をしました。 テクニック的なこと以上に、この「あり方」が学生たちの心に深く残ったようです。
- 「対象者や社会に必要なものを『見て』、人と人、資源を『つなぎ』、連携して『動かす』。このサイクルこそが看護職の原点だと再確認しました。」
- 「『なんでもできます』ではなく、自分のスキルを『メニュー化』して企業に売り込むという視点は、ビジネスとしても非常に学びになりました。」
- 「孤立しがちな人を、地域やサービスにつなげる。そのコーディネーターとしての役割に魅力を感じました。」
「健康経営」や「中小企業支援」といったビジネス視点の話も、皆さん自分なりに噛み砕いて、「なぜそれが必要なのか」をしっかり理解してくれていました。頼もしい限りです。
今回の講義では、かっこいい成功談だけでなく、私が経験してきた失敗や悩み、いわゆる**「とほほな時期」についても包み隠さずお話ししました。 キャリアは一直線の「山登り」だけでなく、流れに身を任せる「筏(いかだ)下り」の時期があってもいい。そのメッセージが、将来に不安を感じている学生さんの背中を押せたようです。
- 「完璧に見える先生にも悩んだ時期があると知り、勇気をもらいました。失敗してもそれを糧に前に進む**『レジリエンス(立ち直る力)』を大切にしたいです。」
- 「『やりたいこと』『社会性』『お金』のバランスで考えるという話が印象的でした。自分ができることや価値を感じることを大切にして働きたいです。」
たくさんの熱い感想を、本当にありがとうございました。 皆さんの感想を読んで、「開業保健師という道を選んで本当によかった」と、私の方が改めて勇気づけられました。
今はまだ勉強や実習で大変な時期かと思いますが、看護の道は皆さんが思っている以上に広く、そして自由です。 「こうあらねばならない」という枠にとらわれず、ぜひ自分らしいキャリアを描いていってください。
いつか現場で、プロとしてお会いできる日を楽しみにしています!